「婚活売れ残り女」は偏見?データで見る本当の姿

「婚活売れ残り女」は偏見?データで見る本当の姿

icon-dateOctober 14, 2026
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婚活アプリを開く女性、結婚相談所に登録する女性——。そんな人たちを見て、周囲が「売れ残り女(婚活売れ残り)」と囁くことがある。

陰口であれ、SNSの書き込みであれ、相手を探す女性に向けられるこの冷たいレッテルを、一度は目にしたことがあるはずだ😢

「売れ残り女」とは、簡単に言えば「結婚の適齢期を過ぎても独身のままの女性」を、市場に残った「売れない商品」のように見下して呼ぶことばだ。

中国発の「剩女(シェンニュー)」という言葉の日本語版とも言える。当人の意思も事情も置いてけぼりにして、ただ「嫁に行かない女」とだけ決めつける、乱暴なラベルである。

でも、人々の印象とは裏腹に、婚活サービスを使う女性はむしろ「ハイスペックな女性」が多い。都合のいい偏見ではなく、公的に確認できるデータがそう語っているからだ。

この記事では、IBJ(株式会社IBJ)の「成婚白書2023年度版」、国立社会保障・人口問題研究所の「第16回出生動向基本調査」、国税庁の「民間給与実態統計調査」——この三つの数字だけを使って、「売れ残り」というレッテルの正体を確かめていく。レッテルを気にして婚活をためらっている人こそ、最後まで読んでほしい。

目次

  1. 「婚活売れ残り女」というレッテルは、どこから来たのか
  2. データが暴く——婚活サービスを使う女性の「ほんとうの顔」
  3. 「売れ残り」と呼ばれがちな、実はハイスペックな女性たち
  4. アプリか、結婚相談所か——「手段」で人を判断しない
  5. それでも「売れ残り」と言われて傷つく夜は
  6. まとめ——レッテルは、相手の側の問題です

「婚活売れ残り女」というレッテルは、どこから来たのか

結婚相談所のカウンセリング席で、プロフィール票を前に話し込む女性とカウンセラーの後ろ姿

「売れ残り」は、恋愛を市場に見立てた人の言葉

「売れ残り」という発想は、恋愛と結婚を「市場」に見立てたときに生まれる。市場には商品と客がいて、売れ残った商品は値下がりする。

この理屈を持ち出すと、婚活は「若い女の早い者勝ち」に見えるし、出会いの場を広げようとする女性は「値札をつけて並べられた商品」に見える。

でも、結婚は取引ではない。それなのにことばだけが一人歩きして、婚活サービスを利用する女性を「評価待ちの商品」として見る視線だけが、なぜか残った。あの感覚、たしかに息が詰まりますよね😢

データが暴く——婚活サービスを使う女性の「ほんとうの顔」

結婚相談所で撮影する婚活プロフィール写真。カメラの前に立ち、微笑む黒いワンピースの女性

成婚した女性の中央値は、34歳

成婚者の年齢:女性34歳・男性38歳

「成婚白書2023年度版」によれば、結婚相談所で成婚した女性の中央値は34歳、男性は38歳だった。

2023年にIBJで結婚した人は12,527組で、これは日本の婚姻数489,281組の約2.6%にあたる。

つまり、結婚相談所で結婚した「ふつうの女性」は34歳なのである。IBJの分析でも、女性は34歳まで・男性は39歳までが成婚しやすいとされている。

「売れ残り」という言葉から連想される、もっと深刻な像とは違う。婚活サービスの利用者が30代・40代に多いのは事実だが、20代の利用も急速に増えている(後述)。

出典:株式会社IBJ「成婚白書2023年度版」(2023年成婚12,527組・成婚者中央値 男性38歳・女性34歳)。婚姻数は厚生労働省「人口動態統計」

20代の入会者が、この4年で倍増している

20代の入会者:2019年から2023年で2倍以上

2019年と2023年の地域別入会数を比べると、20代の入会者は半数以上のエリアで2倍以上に増えている。北海道・東北・甲信越に至っては3倍超だ。

いちばん「売れ残り」のイメージを押しつけられがちな年代の女性が、いちばん増えている。

相談所やアプリは「切羽詰まった人たちの最後の手段」ではなくなった。20代が、早い段階から自分の意思で使う道具になりつつある。

出典:株式会社IBJ「成婚白書2023年度版」(2019年・2023年 地域別入会数比較)

学歴は、思っているほど問題にならない

学歴と成婚しやすさ:専門学校卒が最も高い(相対順位)

女性の成婚しやすさを学歴で見ると、「専門学校卒」が最も成婚しやすいという結果だった。

しかも女性は男性と比べて、学歴による成婚しやすさの差が出にくい。20代から30代前半であれば、「大学卒・大学院卒」も平均を上回る。

「高学歴の女はモテない」——これもまた、データが支持しない偏見だ。30代後半以降は数字が下がるが、それは学歴そのものの問題ではなく、年齢の効果と重なった結果と読むべきだろう。

出典:株式会社IBJ「成婚白書2023年度版」(学歴と成婚しやすさの分析)

専門職・クリエイター系の女性ほど、成婚しやすい

職業と成婚しやすさ:クリエイター・マスコミ系が最も高い(相対順位)

職業別に見ると、女性は「クリエイター・マスコミ系職種」が最も成婚しやすく、次いで「介護・福祉関連職」「看護師」「医療系職種」と続いた。

専門的な知識が必要な職種が上位を占めている。一方で最下位は「家事手伝い」だった。

要するに、結婚相談所という「市場」で評価されているのは、定職と社会的な立場を持つ女性なのである。ここでもイメージは裏切られる。「キャリアがある女は敬遠される」は、もう過去の話だ。

出典:株式会社IBJ「成婚白書2023年度版」(職業と成婚しやすさの分析)

年収を公開する女性のほうが、成婚率が14ポイント高い

年収公開の成婚率:公開43.3%、非公開29.3%

IBJのデータでは、年収を公開している女性は会員の2割程度にすぎない。ところが、その成婚率は43.3%で、非公開の女性より14ポイント高かった。

お見合い数は3.2回多く、お見合いの申し込みを受ける数は30.5件多かった。

「高収入の女は引かれる」——これも、データが支持しない偏見のひとつ。

国税庁の民間給与実態統計調査(令和5年分)によれば、女性の平均給与は316万円(男性563万円)。年収を堂々と出せる女性が、市場ではむしろ好意的に見られている。

出典:株式会社IBJ「成婚白書2023年度版」(年収公開状況別の成婚率・お見合い数分析)/国税庁「民間給与実態統計調査」令和5年分

ここまでの数字を、一枚の表にまとめておく。

よくあるイメージデータの現実
年齢層が高い人ばかり成婚女性の中央値は34歳
20代は入っていない20代入会が4年で倍増(過半数のエリア)
高学歴は不利専門学校卒が最も成婚しやすい。20代〜30代前半は大卒・院卒も平均以上
キャリア女性は敬遠されるクリエイター・医療・福祉系が上位。最下位は「家事手伝い」
高収入は不利年収公開女性の成婚率43.3%(非公開比+14ポイント)
出典:株式会社IBJ「成婚白書2023年度版」より編集部作成

「売れ残り」と呼ばれがちな、実はハイスペックな女性たち

ここからは、日本の主要な匿名掲示板——5ちゃんねるや、それに通じる匿名スレッド文化の中に残る声を五つ紹介する。

書き込み主の名前は伏せ、内容を要約したうえで、掲示板が意外に示している「婚活サービスを使う女性の実像」を読み解く。各例の根拠となる数字は、末尾に出典を明記する。

【5ちゃんねる】「婚活のハイスペ女」条件まとめ

5ちゃんねる newsplus板のスレでは、書き込み主が「婚活のハイスペ女」の条件を具体的にまとめていた。

若くて働き、家事も自分でこなせる女性がその条件に合う——20代・身長155〜165cm・BMI22以下・大卒・正社員で共働き・勤め先に育休・時短制度あり・料理家事一通りできる、というスペック表だ。

「売れ残り」のレッテルを貼る側の定義にすら、しっかり働く普通の女性が入っている。むしろ「正社員」「大卒」「家事ができる」という条件を満たす人が、婚活市場では「ハイスペック」として数えられている。

出典:5ちゃんねる newsplus板「【調査】『一生結婚するつもりない』初の2割超え」

【5ちゃんねる】「32歳・年収400万なら完全にハイスペック」

5ちゃんねる poverty板の「【悲報】婚活女子(32)『妥協してるのに結婚できません…』」スレでは、ある書き込みが「30歳丁度で年収400万以上ならむしろ世代平均以上だし、さらに身長も見た目も平均以上なら完全にハイスペックだろ」と指摘していた。

30歳で年収400万円を超える女性は、国税庁の調査でいえば女性平均316万円を上回っている。

掲示板では婚活を嘲笑う声も多い。でもその議論の中にすら、平均以上の女性が「ハイスペック」と評価されているデータが転がっている。

レッテルが先行しているだけで、条件自体は世間の平均を超えている人が多いのである。

出典:5ちゃんねる poverty板「【悲報】婚活女子(32)『妥協してるのに結婚できません…』」/国税庁「民間給与実態統計調査」令和5年分

【5ちゃんねる】アプリ活動ログ「いいね率26%・カップリング率31%」

5ちゃんねる sousai板の「年収200万300万の人たちの婚活雑談場」スレでは、利用者が自身のマッチングアプリ活動を記録していた。

貰ったいいね合計52/196でいいね率26%、カップリングは6/19で31%という数字だ。冷静に数字を見ながら動いている女性の姿がそこにある。

相手を待っているのではなく、自分の手で確率を紡ごうとしている人の証だ。

数字が低く見えるかもしれないが、地道に活動すれば3割近くがカップリングに至る——これは「売れ残り」の一言では片づけられない活動量だ。

出典:5ちゃんねる sousai板「年収200万300万の人たちの婚活雑談場」

【掲示板の声】「結婚相談所は美人が多い」

しあわせの扉結婚相談所のブログでは「結婚相談所に美人はいないというイメージは大間違い」と書かれており、5ちゃんねるの婚活関連スレでも「相談所の女性、意外と綺麗でビビる」という感想が目立つ。

容姿に自信がある女性も、効率的に良縁を探す場として結婚相談所を選ぶ。

容姿が武器になるタイプの美人は、自分の生活圏では出会えないハイスペックな男性と出会いたいがため、相談所を利用する。

つまり、相談所にいる美人は「選ばれる側の美人」ではなく、自分から選ぶ場所に来た美人なのだ。

出典:5ちゃんねる 各板の婚活関連スレ(複数)/しあわせの扉「美人と結婚したい男性必見!結婚相談所は美人が多い!」

【5ちゃんねる】「自分と似たような人が登録してる」

5ちゃんねる poverty板の「【悲報】婚活女子(32)…」スレに「相談所使わなきゃいいだけの話だな。自分と似たような人が登録してる訳だし」という書き込みがある。自分と同じ条件の人が集まる場所を選ぶことは、普通の市場行為に他ならない。

結婚相談所には、自分と同じように働き、同じように結婚を真剣に考えている人が集まる。

年齢・学歴・職業が近い人が集まるのは、高級住宅街に同じ所得層が集まるのと同じ理屈だ。だからこそデータでは専門職やクリエイター系が上位に並ぶ。

出典:5ちゃんねる poverty板「【悲報】婚活女子(32)『妥協してるのに結婚できません…』」/IBJ「成婚白書2023年度版」(職業と成婚しやすさの分析)

アプリか、結婚相談所か——「手段」で人を判断しない

明るいカフェの窓際テーブル。向かい合って座る男女が、笑顔でお見合いの話をしている

婚活アプリの現実——ネット出会いの結婚は、13.6%

第16回出生動向基本調査によれば、SNS・アプリなど「ネットで」知り合って結婚した夫婦は13.6%を占める。6年前の6.0%から、倍以上に増えた数字だ。

しかも、ネットで知り合った夫婦の平均交際期間は2.8年で、恋愛結婚の4.9年より短い。「アプリの恋愛は長続きしない」という言説も、ここでは成り立たない。

出典:国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査」(結婚と出産に関する全国調査、2021年公表)

結婚相談所の現実——「真剣さ」と「安心」を買う場所

一方、結婚相談所の成婚者アンケートでは、結婚後の最大のメリットは「効率よく活動できる(交際が長引かない等)」だった。20・30代の入会理由として最も多かったのも「短期間で結婚したかったから」である。

そして見逃せないのが、女性の4分の1(25.8%)が「安心できる(独身証明書の提出が必須)」を選んでいる点だ。アプリにはない「身元の確かさ」を、女性はお金を払って買っている。

出典:株式会社IBJ「成婚白書2023年度版」(成婚者3,815名へのアンケート、2024年2月実施)

自分に合う選び方——決めるのは、手段ではなくあなたの意思

どちらが上で、どちらが下というわけではない。大切なのは、「自分が何を買いたいか」を先に決めることだ。数をこなして出会いたいのか、身元の確かさと伴走が欲しいのか。それだけの違いである。

項目婚活アプリ結婚相談所
出会いの数自分で探せるぶん多い仲人が選んで紹介してくれる
身元の確かさ自己申告が基本独身証明書の提出が必須
サポート自分で進める仲人が成婚まで伴走する
費用の目安月額数千円〜1万円台月会費+お見合い料(年間数十万円)
向いている人まず数をこなしたい/コストを抑えたい早く決めたい/身元を確かめたい
出典:株式会社IBJ「成婚白書2023年度版」および編集部の調査にもとづく概算

どちらを選ぶにせよ、先にやることは同じだ。自分の条件と希望を言葉にして、数字の裏付けを確かめておくこと。市場価値は材料であって、あなたの値札ではない。

それでも「売れ残り」と言われて傷つく夜は

ここまでデータを並べてきたが、正直に言おう。理屈で納得できても、夜にふと「もしかして私は……」と襲われる瞬間は、誰にでもある。偏見はあなたの問題ではない🫧 それでも、傷は一人で抱え込まなくていい。

婚活のしんどさが続いているなら、まず休むこと。婚活うつのチェック項目を知り、今日からできる抜け出し方を一つずつ試してほしい。レッテルの傷も、活動の疲れも、同じように扱っていい。

読者読者
周りに「婚活アプリって売れ残りでしょ」って言われ続けて、本当に辞めようとしていました😭
編集部編集部
その言葉、データではまったく支えられていませんでしたね。成婚女性の中央値は34歳ですし、20代の入会は4年で倍増です。ご自身の意思で動き出したことが、何よりの答えです🙏

まとめ——レッテルは、相手の側の問題です

「婚活売れ残り女」という言葉は、恋愛を市場に見立てた人の側の言葉だ。データは、その言葉を一度も支持していない。

成婚した女性の中央値は34歳。20代の入会は4年で倍増。専門職・クリエイター系の女性ほど成婚しやすい。

年収を公開する女性の成婚率は、非公開より14ポイント高い。ネット出会いの結婚は13.6%を占め、交際期間は恋愛結婚より短い。

婚活アプリを開くことも、結婚相談所に登録することも、負け組の印ではない。自分の意思で出会いの場を広げた人の証だ。

レッテルは、相手の側の問題です。あなたが決めるのは、手段ではなく、自分の意思のほうでいい✨

婚活についてもっと知りたい方は、ぜひ公式サイト をご覧ください。

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