東京で暮らし始めて七年目、私はやっと自分が本当に「女性秘書」を雇いたいわけではないことに気付きました。本当に探していたのは、信頼できて、言葉が通じ、文化理解もあり、長期的に一緒に協力できる人でした。毎日出勤する必要もなく、財務や法律の専門知識も不要です。でも任せきりにできる未翻訳の資料や、まだ返事していないクライアントのボイスメッセージ、あるいはよく分からない生活の細かいこと――そういったものを安心して預けられる人でなければなりませんでした。
かつて求人サイトで「日本語秘書」の求人広告を真剣に出したり、数名のフリーランスアシスタントと助力サービスのやり取りをしたり、語学学校の先生に顧問をお願いしようか考えたりしましたが、いずれも様々な理由でうまくいきませんでした。
最終的に、私のような「非典型的なニーズ」により合った解決策を見つけました。
この記事は、東京で何年も暮らしている普通の人間の視点から、同じような悩みを抱える方に向けて書いています。もし、日本語がまだ自然に話せない、メールの書き方に困っている、交友関係が狭くて話しかけるのが億劫――そんなあなたには、きっとこの方法が伝統的な意味での「秘書」を雇うより、実用的で、人間的で、心地よいと感じるはずです。
一、なぜ多くの人が「女性秘書」を探して失敗するのか
「日本語のメールを書いてくれる人がほしい。」
「会話の練習に付き合って、敬語を直してくれる人がいい。」
「できれば東京の女性で、日本のマナーを知っていて、外国人の話し方も理解できる人がいい。」
こうした話は、10回以上は聞いたことがあります。主に東京在住の中国、台湾、香港の方々です。職業はエンジニア、マーケ、貿易、起業家など様々ですが、結末は大体――
適任が見つからない
見つかった人の料金が高すぎ、コミュニケーションも非効率
2、3回やってみて自然消滅
後になって私は考えました。問題は「私たち自身がニーズの定義を間違えていた」のだと。
私たちは「秘書」を探しているつもりだった。でも実際は言語・文化アシスタント、しかも柔らかい人柄でサポートできて距離感のない「相棒」が必要だったんです。
従来の秘書は事務的で、「言われたことをやる」のが仕事です。でも私たちに必要なのは「どう言えば良いか分からない時に言葉を組み立ててくれる」「相手の感情がわからないときに意味を判断してくれる」人。これは文化理解・言葉の適応力、さらには一定の相性まで必要になります。
そして、従来の採用プロセスではこういう人は選べません。
二、私が試した三つの方法、すべて失敗
方法1:求人サイトにバイト秘書の求人を出す
CraigslistやWorkJapanなどに「日本語アシスタント」のバイトを募集し、言語サポート+翻訳+文化アドバイスと明記。しかし来た応募は、読めないテンプレか、ただ小遣い稼ぎ目的で応募した日本人学生で、私の本当のニーズを理解していませんでした。
一人の女性は対面で会ってくれ、カフェで一時間ほど話しました。彼女は言葉への興味はあるが、私の「このメール、こう書くのは直接すぎない?」という質問を全く理解できなかったのです。
彼女の答えは「別に大丈夫だと思います」でした。
その「大丈夫」の裏には――本音を言いづらいという文化的な意味が隠れています。
方法2:語学学校のプライベートティーチャー
語学学校の先生に会議スピーチの練習や書類直しをお願いしたことも。けれど、彼女たちは「教えること」が仕事で「手伝うこと」ではない。私が質問→彼女が答える、が基本なので、私が本当に求める「どこがダメかを主導的に指摘してくれる人」にはなりません。
しかも、そうした先生は大抵年齢層が高く、話し方もゆっくりでアカデミック。リアルな日常の変化にすぐ適応できるタイプではありませんでした。
方法3:外部委託のクラウドワーカーや翻訳者
LancersやCoconalaといったフリーランスプラットフォームでも「日本語読みに付き合う・文章添削」といった仕事を依頼してみました。
しかしその度に要件をゼロから説明し直し、相手のペースに合わせる必要があり、納品物は「マニュアル通り」で温かみがありません。加えて費用高く、レスポンスも遅く、信頼の蓄積感もなし。

三、そして最後に出会った「言語の相棒」という方法
初めは、それがこんなに合うものだとは想像していませんでした。東京でITアウトソーシングをしている友人が、「yoitoki」というサイトで日本語表現の練習や会話をしてくれる女性と知り合えたと教えてくれたのです。
半信半疑で私も登録し、学びたい日本語(ビジネスメールや職場での敬語など)や、東京・20代以上の女性ユーザーなど条件を設定。数日後、興味を示してくれる数名からダイレクトメッセージが届きました。中にはライティング好きな方や「日中の文化差に敏感な」日本人フリーランサーの女性もいました。
私は、彼女を選びました。
四、私たちが「言語・文化相棒」としてどんな協働をしているか?
彼女はRika、22歳、東京出身。本業は自メディア運営です。
最初はチャットのみ。私が書いたメール原稿を送ると、彼女は一文ずつ添削し、理由も教えてくれます。「この文は文法的に正しいけど、ビジネスだと少し強すぎる」など。
その後、ボイスチャットで電話表現の練習も。彼女は「おそれいりますが」「ご確認いただけますでしょうか」の本当のニュアンスの違いなどを教え、クライアントの話すスピードや言い回しまでシミュレートしてくれます。
そのうちに、パーティー参加前の挨拶練習にも付き合ってもらいました。彼女は最大限気を払い、礼儀正しいが自然な挨拶例を5フレーズ作ってくれ、メモカードまで書いてくれました。
私は気付いたのです。彼女はすでに「信頼できる形で、私の理想の秘書像」を担ってくれており、それでいて秘書のような固い契約関係はありません。
私は彼女に少し時給を払っていますが、多くは持ちつ持たれつの関係です。彼女も中国語を学び、将来台湾に住んでみたい夢があります。私は中文の履歴書を添削し、彼女は私を新しい言語文化に適応させてくれました。
五、言語相棒 vs 秘書:比較してみた
軸 | 女性秘書(従来型採用) | 相棒型言語協力(yoitoki) |
---|---|---|
協力形態 | 雇用関係 | 対等な相棒関係 |
時間管理 | 固定勤務時間 | 柔軟な交渉 |
コスト | 月給/時給高め | アポイント制・自己裁量 |
仕事内容 | 主に事務処理 | 言語表現+文化理解+表現修正 |
代替可能性 | 高い(交代容易) | 低い(長期の協力ほど◎) |
関係温度 | 理知的・ドライ | 人情味あり・発展性あり |
六、「相棒協力」を活用するコツ
これを試してみたい方には、こうアドバイスします――
自分の言語ゴールを明確に、特に日本語メールや敬語会話、会議プレゼン場面など。
最初のメッセージは心を込めて、内容を曖昧にせず、希望する協力内容や互いに助け合いたい意志もちゃんと伝えましょう。
短時間・具体的な依頼から始める、例:「この文章直してほしいです。お礼は払います」等。こうして相手に自分の言語感覚やニーズを知ってもらう。
ライティング歴またはビジネス経験のある女性を選ぶ、元編集者、翻訳、事務経験者など。
尊重と適切な距離感を保つ。相棒関係は雇用より信頼が大切。ベタベタしすぎず、でも壁も作らず。
七、おわりに:東京で自分を理解してくれる人を見つける難しさ
ここまで書いて、予想以上に長い記事になってしまいました。
もし今、あなたも東京で日本語がなかなか自然にならず、本当に信頼できる誰かと一緒に言語力を高めたい、もっとこの街で孤独やギクシャクを減らしたい、と思っているなら、私は本気で「相棒方式」を勧めたいです。
必ずしもyoitokiでなくてもいいですが、私はそこで自分に合う相棒を本当に見つけました。
彼女は私の従業員でも、先生でもありません。ただ「ちょうど良く」会話し、表現を身につけさせてくれ、「より自然に聞こえる」を私の立場で教えてくれる存在です。
これこそ、私が東京で貴重で一番価値あるものだと感じているものです。
